ダッシュボードのベタツキ

 

 

 

 

 

 

今回は、ダッシュボードなどのベタツキについてのお話です。

外国車、国産車問わずダッシュボード、内装パーツなどにベタツキが発生する場合があります。
原因は、素材に含まれている、可塑剤(注1)が浮上し、空気中に含まれる水分と反応し
加水分解(注2)が発生しベタツキが発生します。

軽自動車などのダッシュボードは、樹脂製で硬いので発生することは殆どありませんが、
上級クラスの乗用車(クラウン、レクサスなど)は、弾力性のあるウレタン系の素材が使用されており、可塑剤が含まれているためベタツキが発生する場合があります。
全ての車がそうなるわけではありませんが、車の保管状態、使用状態、経年劣化によって発生します。また、ベタツキの度合い、進行度も異なります。
ベタツキが発生すると、手が触れただけでもベトベトし、指紋が残ったり、布で拭いたりすると
繊維が付着したり、テカテカしたりします。

屋根のない駐車場は、勿論ですが、ガレージなどに保管している場合でも、発生する場合が
あります。ベタツキの要因は、経年劣化、紫外線、高温多湿などがあげられます。
特に、湿度が大きく影響します。
ベタツキが発生した場合には、可能な限り早めに対処をお勧めします。

当店での補修

根本的な対処は、交換する方法がありますが工賃、パーツ代は高額になります。また、
旧年式の車の場合には、パーツ自体の入手が困難な場合があります。

当店では、根本的な補修は困難で、ベタついた表面をコーティングする補修を行います。
コーティングすることによって、ベタツキを抑えることができます。
しかしながら、使用条件、環境等によって再発する可能性もあります。
また、触るだけで粘土の様にへこむような症状の場合には、お断りする場合があります。
更に、割れ、キズの補修は不可になります。

ご自身で対処または軽減する方法

インターネットで多数掲載されていますが、代表的なのは

・無水エタノールでべたついた表面を拭く。

・お湯で溶いた重曹で磨く。

・ベタツキ専用のケミカル剤を使用する。

・シッカロール(ベビーパウダー等)をまぶす。

・ダッシュボードに市販のマットを敷く。

などがあります。
ダッシュボードだけでなく、合成皮革素材のバッグ、ベルト、プラスチック製品にも応用
できるかと思います。あくまでも、自己責任です。
≪アドバイス≫
まずは、目立たたない箇所、一部分で試し、状態を確認してから補修箇所全体を行う様に
してください。場合によっては、状態が酷くなる場合があります。
プロでも、リスクを考えて初めての補修の場合には、必ず行います。

ベタツキ予防

・フロントガラスにサンシェードを使用し、室内の温度上昇を抑える。

・定期的に室内の空気を入れ替え、湿度の低い場所の保管する。
ガレージがある場合には、窓を少し開けておくことも効果はあると思います。

・ダッシュボードにプラスチック、ゴム製の製品を置かない。
(接触面が科学反応を起こし、ベタ付いたりする)

まとめ

自動車の内装で使用されるウレタン系の素材は、化学反応によってベタツキが発生することがあります。
早めに、対処予防することによって進行を抑えることができます。
ベタツキで悩んでいる場合には、ご自身で上記の対処方法を試してみましょう。
ご自身で対処できない場合には、当店にお気軽にご連絡ください。

注1)可塑剤(カソザイ)とは、ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくするために添加する  物質。可塑剤は主に、塩化ビニル樹脂(塩ビ)を中心としたプラスチックを軟らかくするために用いられ、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルといわれるもの)。
注2)加水分解とは、水分や空気中の湿気によって発生する分解反応。

コメント